マイホームを購入する際に、多くの人が利用するのが住宅ローンです。中でも「フラット35」は、特に人気のある住宅ローンの一つで、長期固定金利という安心感が魅力です。フラット35は、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する住宅ローン商品であり、他の住宅ローンと比べて金利や手数料の面で大きな特徴があります。
この記事では、初めてマイホームを購入する方に向けて、フラット35の金利の仕組みや手数料、そしてその利用方法について徹底的に解説していきます。さらに、他の住宅ローンとの違いやメリット・デメリットについても触れ、読者が最適な住宅ローンを選べるようサポートします。
目次
フラット35の基本的な仕組み
フラット35の特徴
フラット35の最大の特徴は、金利が固定されていることです。一般的な住宅ローンでは、金利が変動する「変動金利型」と、固定される「固定金利型」があります。フラット35はその名の通り、借入期間中ずっと金利が変わらない「全期間固定金利型」のローン商品です。
このため、将来的に金利が上昇するリスクを抑え、返済額を安定させることができます。特に、住宅ローンを組む際に金利上昇を懸念している方や、長期的に安定した返済計画を立てたい方にとって、フラット35は大きな魅力となります。
フラット35の適用条件
フラット35は、以下のような条件に適用される住宅ローンです。
- 借入期間:15年以上35年以内(返済期間が短いほど金利が低くなる場合が多い)
- 借入金額:購入する住宅の価格や借入者の年収によって変わります
- 対象となる住宅:一定の耐震性能や省エネ性能を満たす住宅が対象
- 自己資金の割合:購入金額の9割まで借り入れることが可能
これらの条件を満たす住宅であれば、フラット35を利用して購入資金を調達することができます。
フラット35の金利について
金利の決まり方
フラット35の金利は、金融機関ごとに異なりますが、全体的に市場金利に連動して決まります。市場金利の変動に応じて、フラット35の金利も月ごとに設定されますが、一度借入をすると、その金利は返済期間中ずっと固定されます。
また、フラット35は住宅の質や借入期間、融資比率(購入価格に対する借入金の割合)によっても金利が異なります。特に、融資比率が90%以下の場合、金利が低く設定されることが多いため、自己資金を多く用意できる場合は低金利での借り入れが可能です。
金利の推移
過去10年間でフラット35の金利は非常に低い水準で推移しており、2020年代初頭では1%台と歴史的な低金利時代が続いていました。しかし、今後の経済状況や市場の動向によっては金利が上昇する可能性もあるため、早めの借り入れを検討している人にとってはチャンスと言えるでしょう。
フラット35Sの金利優遇
フラット35には、住宅の性能が高い場合に適用されるフラット35Sという金利優遇制度があります。これは、省エネや耐震性能などの基準を満たす住宅に対して、一定期間金利が低く設定されるものです。
- フラット35S(Aプラン):基準を大幅に上回る住宅に適用され、10年間の金利が引き下げられます。
- フラット35S(Bプラン):基準を満たす住宅に適用され、5年間の金利が引き下げられます。
この金利優遇を活用することで、総返済額を大幅に抑えることができるため、エコ住宅や耐震性能の高い住宅を検討している場合には大きなメリットとなります。
フラット35の手数料について
融資手数料の仕組み
フラット35を利用する際には、融資手数料が発生します。融資手数料は金融機関によって異なりますが、通常は借入金額の2%前後が目安です。この手数料は、住宅ローンを借りる際に一括で支払う必要があります。
- 例:借入金額が3000万円の場合、融資手数料は約60万円程度となります。
融資手数料は一見高額に思えるかもしれませんが、フラット35の長期固定金利の安心感を考慮すると、将来的な金利上昇リスクを回避できる点でメリットがあります。
保証料と手数料の違い
フラット35では、保証料が不要です。一般的な住宅ローンでは、ローンを組む際に保証会社を利用するための保証料が発生しますが、フラット35は保証会社を通さないため、保証料がかからないという利点があります。
ただし、その代わりに、手数料が比較的高めに設定されているのが特徴です。保証料と手数料を合わせたトータルのコストを比較する際には、フラット35の方が初期費用が少し高くなるケースが多いですが、将来の金利リスクを考慮した上で選ぶと良いでしょう。
フラット35と他の住宅ローンとの違い
変動金利との比較
フラット35の最大の違いは、全期間固定金利であることです。一方、変動金利型の住宅ローンは、金利が市場金利に連動して変動するため、短期的には低金利が期待できるものの、将来的に金利が上昇するリスクがあります。
- メリット:将来の金利上昇を心配せずに返済計画が立てられる
- デメリット:初期の金利が変動金利に比べてやや高め
変動金利の住宅ローンは、短期的に低金利で借り入れることができるため、初期の返済額を抑えたい人には魅力的です。しかし、長期的な金利上昇リスクを考慮すると、フラット35の方が安心感が高いといえます。
他社との金利・手数料比較
フラット35は多くの金融機関で提供されていますが、金利や融資手数料は金融機関ごとに異なります。そのため、複数の金融機関を比較して、最も有利な条件を選ぶことが重要です。
- 金利の比較:金融機関によって金利に微妙な差があります。毎月更新される金利情報を確認し、できるだけ低い金利で借り入れできる金融機関を選びましょう。
- 手数料の比較:融資手数料や登記費用、火災保険料などの諸費用も金融機関によって異なります。初期費用を抑えるためには、これらの費用もしっかりと比較することが大切です。
フラット35を利用する際の注意点
借入金額と返済能力のバランス
フラット35を利用する際には、借入金額と返済能力のバランスが重要です。全期間固定金利であるため、返済額は一定ですが、借入金額が多すぎると月々の返済額が家計に負担をかける可能性があります。
自分の年収や家計の支出を見直し、無理のない返済計画を立てることが大切です。一般的には、年収の25%程度を返済額の目安とすると、無理なく返済できるとされています。
金利が低いからといって借りすぎない
フラット35の金利は非常に低く設定されていますが、金利が低いからといって借り入れ額を増やすのは危険です。返済期間が長期にわたるため、借り入れ額が増えると利息も大きくなります。
まとめ
フラット35は、将来的な金利上昇リスクを回避しながら安定した返済計画を立てることができる住宅ローン商品です。特に、初めてのマイホーム購入を考えている方にとって、フラット35の長期固定金利や保証料が不要という点は大きな魅力となります。
しかし、他の住宅ローンとの違いや融資手数料、金利の推移をしっかりと理解し、最も有利な条件で借り入れることが大切です。
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